UPDATE:2018.10.21
TOKYO WHEELSが今、気になるあの人。~special interview vol.2~
未知に出会う道を走る、自転車旅のススメ。

ということで今回はお馴染み「rin project(リンプロジェクト)」の生みの親、そして業界随一の自転車旅マイスターと呼び声の高い山田浩さんにインタビュー。
自転車旅って結構ハードル高めなアクティビティだと思ってたんですが、山田さんの話を聞いてるうちにイメージが一変。旅行好きな方はもちろん、あまり興味が湧かないという方にも刺さること確実です!
「面白くないから仕事自体を辞めました(笑)。」

━━本日はよろしくお願いします。まずはリンプロジェクト(以下リンプロ)を立ち上げた経緯をお教えいただけたらと。
山田:「シャノア」って会社を作りデザイナー相手に小物類の企画・販売をしてました。そしたら時代の流れかMD(生産管理)に権力が移り…素材を見せても響かないし「他は?」の一点張り。この人たち面白くないと思って、企画・販売の仕事自体を辞めました(笑)。
━━思い切りましたね(笑)。
山田:未練はなかったので(笑)。で、次は何しようかなーってボンヤリ考えつつ、当時僕は自転車通勤をしてたので、フラッと自転車売り場に寄ってみたんです。そしたら自転車売り場って何にもないということに気付きまして。
━━当時は自転車専用のアイテムが存在してなかったんですね。
山田:そうそう。ジャージが申し訳程度に置いてあるぐらい(笑)。しかもその時期ってピストバイクやメッセンジャーやらが出始める直前で。これはチャンスだって思いましたね。そこからリンプロジェクトを立ち上げました。
━━時代の流れまで味方につけた、ということですね。
山田:いや、そんな大それた話じゃない(笑)。タイミングが良かっただけなんです(笑)。

「若い頃から自転車旅をやってたんですよ。」

━━山田さんが自転車を始めたきっかけは何でしょうか?
山田:実は40代ぐらいの頃に自動車事故を起こしちゃって。それから車が怖くなりました。で、歩いたり走ったりで移動してたんですけど、それはそれで時間がかかる。…まぁそうなると辿り着く先は自転車ですよね。
━━辿るべくして辿った感じですね。
山田:まぁ自然な流れですね(笑)。で、50歳になる直前にキャノンデールのレフティっていうマウンテンバイクが手に入りまして。それがまた面白くてガッツリ乗り回しているうちにハマってしまった、という具合かな。
━━そこからどうして自転車旅をするにまで至ったんですか?
山田:実は10代の頃から自転車旅をやってたんですよ。お金の代わりにテントを持って、友達2~3人と一緒にフラッと出掛けてました。

━━えっ、そんな若い頃に!?
山田:いや、当時って自転車が流行ってたんです。若い人でも買えるぐらいの安価なモデルもありましたし、当時はアルバイトもしてましたから。
━━…そこよりも野宿の方に驚いています(笑)。
山田:ああ、そっちか(笑)。僕が若い頃ってそういう人が沢山いましたから。自転車に旗立てて旅してる貧乏学生とか。まぁそういう経験があったので、歳を取ってからもやってみようと思いまして。
━━今まで経験している分、ノウハウがありますね。
山田:とはいっても最初は大変でしたよ。輪行袋とか使い方が分からなかったですし。あとはお尻も痛かったなぁ。今はもうどっちも慣れましたけどね。
━━確かにお尻の痛みって自転車乗りにとって第一関門です。
山田:初心者や乗り慣れていない人はそこをクリアしないと楽しめませんよね。まずは無理せずのんびり乗って慣らしていくことが大事。そうやっているうちにいつの間にか克服できますよ。

「交通手段が自転車ってだけで普段の旅行と変わらないんです。」

━━現在の移動手段は輪行がメインなんですか?
山田:目的地次第で飛行機とか船とか色々だけど、やっぱり電車で輪行することが多いかな。ちなみに普段は日本橋に集まって旧街道を進むルートが大半で、その時は帰りが決まって輪行。逆に行きが輪行、帰りが自走ってパターンもあります。
━━なるほど。輪行旅の際、荷物はどれぐらい持ってますか?
山田:うーん、必要最低限ですね。ちなみに僕はいつもパニアバッグで通勤してるんだけど、その中に入ってるモノだけで十分事足りるかな。だから今すぐ行けって言われても大丈夫ですよ(笑)。
━━常に輪行旅に行く準備ができているんですね(笑)
山田:そうそう(笑)。まぁ最低限必要なモノって、正直かなり少ない。その辺りを初心者の方は勘違いしているから、沢山の荷物を持って行きたがるんだよなぁ(笑)。
━━確かに…荷物は多いに越したことはないって思っちゃいます(笑)
山田:まぁ気持ちは分からんでもないんですけど、それだと結構しんどい(笑)。向こうでお土産買ったりとか飲み物やら買ったりしてると、どんどんかさばって重くなっちゃいますから。
━━肝に銘じます(笑)。テントを張ってキャンプとかはしないんですか?
山田:日帰り旅では一切やりません。長旅の場合でもホテルや旅館に宿泊するのが基本ですね。正直な話、そっちの方が楽で良い(笑)。

━━テント泊より遥かにハードルが低いですもんね。
山田:仰る通り。つまり、いつもの旅行の交通手段が自転車になっただけ。そう考えると気軽な方法だと思いません? …いや、むしろ小回りが利いて良いかもしれませんね。
━━ちなみに山田さんが思う自転車旅の魅力とは何でしょうか?
山田:うーん、沢山あり過ぎて伝えきれないなぁ(笑)。まぁ一番は、他の乗り物じゃ味わえない世界の感じ方ですかね。川や海の美しい景色って車や電車だと短時間ですけど、自転車ならじっと見て走れますし。
━━分かります。程良いスピード感だから色んな物事に気付けるというか。
山田:そうそう。そういえばかなり前に青森を走っていたときの体験なんですけども、白い山みたいなものを見つけたことがあって。近づいてよく見てみたら積まれたホタテの貝殻でして。で、隣を見たら生け簀があって、その中でホタテが泳いでたんです。そしたら向こうにいたおばちゃんが近づいてきて「1個100円だけど、食べる?」って。
━━めちゃくちゃ安いですね!
山田:僕もビックリしました。まぁそこまで安いんだから食べるに決まってますよね(笑)。そしたらおばちゃんが生け簀の中にいるヤツを素早く捕まえて、その場でパパッと捌いて出してくれて。
━━かなり新鮮ですね。
山田:めちゃくちゃ美味しかったです。塩水だけで食べるんですけど、今まで食べたのは何だったんだってぐらい甘かった。車で通ったら気付かなかったし、その時は自転車旅やって良かったと心底思いましたね(笑)。

━━実は、我々TOKYO WHEELSのコンセプトも山田さんの考え方に似ている部分があるんです。自転車上での発見を大事にしているというか。
山田:なるほど。まぁそれが自転車に乗ることにおける最大の醍醐味ですよ。TOKYO WHEELSさんは街乗り、私は自転車旅と手段が違うだけで、得ようとしている体験や物事はとても近いんでしょうね。
「美味い料理とお酒が味わえたらオールOK(笑)。」

━━今後の目標は何かありますか?
山田:高齢者、いや老人たちにもっと自転車を楽しんでもらいたいですね。歩くことや走ることよりも身体への負担が少ないし、気軽にできる運動ですから。
━━確かに程よい負荷のエクササイズになりそうです。
山田:16年前、ドイツのケルンで行われたユーロバイクショーへ行ったことがあるんですが、向こうの老人ってガンガン自転車に乗ってるんですよ。
━━それはやっぱり健康増進も兼ねて?
山田:おっしゃる通り。寝たきり老人の増加に伴い医療費までも高騰し社会問題になったらしく、予防対策として自転車に乗せる政策をとったそうです。
━━なるほど、面白い政策ですね。
山田:面白いし先進性もあるなと。現在ってシェアバイクが増えたりと、旅行時の交通手段とは別に“都会的”な移動ツールという側面も持っている。そういう時代の流れにもフィットしますから。
━━ただ健康増進のためだけに採用しただけじゃないんですね。
山田:そういう二次的な狙いも内心あったんじゃないかな。生活圏内を自転車で移動するというのは今でいうスマートシティの考えに近い。それも都市部在住の老人と相性抜群ですからね。
━━海外は先進的な物事に積極的ですので、あり得るかもしれません。
まぁドイツの事例はともかく、老人と自転車の親和性を今よりもっと高めることができたらなとは思います。ちなみに次の自転車旅は僕の友人と二人で“老人旅”をする予定です(笑)。

━━とても楽しそうですね!
山田:老人って時間も限りなくありますし、ゆるっと行こうかなと。まぁ先ほどの健康に関する話と矛盾しますが、夜に居酒屋行って美味い料理を食べつつお酒が飲めたらオールOKですよ(笑)。
━━心の健康にとても良さそうですね(笑)。
山田:まぁ“大人の遠足”って感じ(笑)。色んな要素が交じり合ってはいますが、結局のところみんなで楽しむことを最終目標にしつつ続けられたらなと思います。
rin project ×TOKYO WHEELSの別注アイテム。
rin project×TOKYO WHEELS 別注レザーカスク
¥15,120 (税込)
コーデュラ・ストレッチスキニーパンツ【CORDURARfabric/Twill Stretch Mambo Pants“TOKYO WHEELS Exclusive”】
¥15,120 (税込)
「自転車とする旅」をテーマに活動するrin project(リンプロジェクト)。ブランド設立の原点は、「自転車に乗るとき、こんな服があったらいいな」でした。

山田 浩
株式会社シャノア代表取締役。以前立ち上げたブランドをリンプロジェクトという名称に変更し、2003年リスタート。趣味である自転車旅に勤しみつつ、そこで得た思いや経験を展開アイテムに反映している。
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writer:daigo iima |
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