UPDATE:2018.12.02
大人ドレスな着こなし術 vol.8
似ているようで違います。ニットのツボを抑えましょう。
大人ドレスの着こなし術、前回のプリーツパンツの続きと思ったのですが、本日「芯から寒い!ニット必須!」と感じたので急遽ニットについてです。今日ぐらい寒いとニット無しでは外出が難しそうです。
前回NEWS:「ちょっとの違和感で、人生もファッションも楽しくなる。」
ひとくちにニットと言っても昨今のニット技術の進歩もあり、多くのジャンルに分岐しています。早速ですがその着こなしをカテゴライズしてみましょう。(あまりに多くなるのでニットを含んだコンビアウターなどは除外しました。ニットムートンジャケット、とか。)
1.ジャケット代わりに使うアウター的なニット
2.保温機能を備えた、冬のレイヤードスタイルのベースとなるニット
3.ケーブルやローゲージなどファッション性が高く、単体で主役となるニット
それぞれ順にご紹介していきますが、その前にニットを選ぶ上で最も重要なのはなんだと思いますか?
それはフィッティングと袖や丈の長さです。イタリアなど海外でニットを買ったことのある方は経験あると思いますが、同じサイズでもなんとなくフィット感が悪い、と感じることがあります。そうするといくらデザインや色、素材が良くても登場回数は激減してしまいます。
理由は簡単で同じサイズでも海外の方は日本人に比べて胸や肩、腕が発達しているからです。羽織ものだとその辺りの違いがそこまで目立たないのですが、ニットのようにジャストフィットで着るものは違和感を感じてしまいます。日本人でも適用できるようにきちんと調整されるかどうかはブランドの考え方や日本の代理店の力にもよります。その見極めも重要なのですが、このあたりの背景を話し出すと切りが無いので別の機会に。
とりあえずJediaで取り扱いのものは、フィッティングを特に重視して取り扱い検討していますのでご安心ください。(代理店がいない直輸入の新ブランドとかだと若干トライアルだったりしますが、そこはご勘弁のほど。)
ジャケット代わりに使うアウター的なニット。
まずはジャケット代わりになるニット。いくつかありますが一つはテーラードジャケットのイージー化の流れで出てきたニットジャケット。冬場の軽ジャケットとして完全にブームの粋を超え、定着しました。作りも年々良くなってきており、ニットとは思えないほどのドレス感があります。
ラインナップも各ブランド(LARDINI、CIRCOLO、ALTEA、TONELLO・・・)から豊富に出ていますし、今までニュースでも散々触れてきたので割愛させて頂きます。
関連ニュース:ニットジャケットの不可能を可能にする王者の実力。
もう一つはニットジャケットとニットカーディガンの良い処取りをしたニットアウターで、Jediaではこれなくしては冬は越せないというほど人気であるZANONE(ザノーネ)のCHIOTOでしょう。カテゴリーって言ったじゃん!というご指摘はごもっとも。
ですが、このCHIOTOに関しては一つの製品というよりはカテゴリとして認知して良いのではないかというほど人気があるので、取り上げさせてもらいました。
このCHIOTOは冬の立ち上がりはニットアウターとして、もう少し寒くなったらインナーニットとして使える汎用性の高さも人気要因の一つ。
でもですね。なによりもこのスタイリッシュなルックス、そしてそれを支える適度に目が詰まったニット生地のセレクトなど使う用途をきちんと想定したマッチングが素晴らしいから人気なんだと思います。リピーターも多く、色や素材を変えてご購入頂いてます。この辺り詳細はこちらのニュースで取り上げていますのでご参照ください。
関連ニュース:大人のモテ服は何はともあれ【CHIOTO/キョート】から。
寒さを軽減するベーシック・ハイゲージ
そして今日の本題はどちらかと言えばニットの中でも最もシェアが大きい二番目のカテゴリです。冬場のレイヤードスタイルには欠かせずインナーとしてミドルレイヤーとして活躍するハイゲージニットです。
基本的な形はクルーネック、Vネック、タートルネックが中心で、最近はここに少し変化をつけてモックネックなども人気が出てきています。
いずれにしてもジャケットやアウターのインナーとして使うケースが多いのでネイビー、ブラック、グレーといった定番カラーに人気が集中しています。2ndチョイスとして差し色のベージュやブルーなども好まれます。インナー使いとして使えるハイゲージは9G(ゲージ)から30G(ゲージ)ぐらいの糸の太さがメインで糸の番手やデザインによりプライスも変わってきます。
昨年まではタートルネックが圧倒的に人気でしたが、今年は皆様も時折目にする機会が増えたであろうネッカチーフ合わせが流行っているので、クルーネックも人気が高まってきています。
こんな感じでネッカーチーフを指して着るスタイルが主流です。これは是非試して見てほしいです。見た目ほど難しくありませんから。
そしてニットの最高峰クルチアーニからも。
クルチアーニの場合は、作り方にも特徴がありますが、なによりボディの部分は27番手という細くて柔らかい糸を使い、首周りのリブだけ9番手の糸を使ってアクセントをつけているのが大きなポイントになっています。
クルチアーニで長きに渡り人気のある定番モデルです。
クルーネックの最後を飾るのは日本のブランド、サイドスロープです。サイドスロープがLEONを始めとしたイタリアファッション好きの方の目に留まる時は派手なニットデザインのものが多いと思いますが、実はベーシックなニット作りにも定評があります。
ニットはフィッティング命だと言いましたが、サイドスロープは日本のブランドだけありフィッティングとデザイン性に関しては、今の日本のトレンド感を最も抑えた作りになっています。
背中のカッティング、裾や腕のリブの長さなど到るところでセンスが光るニットになっており、シンプルなんだけどよく見ると凝っている、というニットをお探しの方にはおすすめです。イタリアンニットにはない少しだけゆるっとしたリラックス感も今の気分とマッチしており、日本ブランドならではの市場の微妙な空気感をよく捉えていると思います。
そしてお次はカーディガン。こちらはジャケットやスーツのインナーとして着るのが一般的です。まずはザノーネのカーディガン。
そしてグランサッソ。
少し肉厚生地のジャケットの時、シャツの上から直接着るとシャツの薄さとジャケットの厚さでアンマッチに見えることがありますが、カーディガンを使うとその間を上手に埋めてくれます。またぱっと見がジレを着ているようにも見えるのでエレガントです。
ただこの使い方だけだとつまらないので、僕はアンサンブルの着こなしをオススメします。先程紹介したグランサッソのクルーネックニットにあわせて。
こちらはクルチアーニのタートルですが、アンサンブル合わせ。
ニットonニットは色を間違えるとダサくなりがちですが、同じ色でまとめておけば問題ありません。ハイゲージニットは一枚だと寒い場合もありますが、アンサンブルにしてしまえば防寒性能も高まります。あとから似た色を買うのも大変なので、ニットを買うときは、似た色のカーディガンも余裕があれば買ってしまう、これ基本です。
そして最後はこれからの季節のレイヤードで絶対必須なタートルネックニットです。まずは長い歴史を誇るジョンスメことジョンスメドレーの30G(!)ニット。
30Gと非常に細い糸で編まれているので肌着感覚で着ることもできます。今流行りのプリーツパンツなどではパンツの中にタックインして履いてももたつきが無く、一枚はワードローブに置いておきたいニットです。
そしてグランサッソはインにも、かろうじてアウトにも着られる12Gという絶妙セッティングのタートルニット。
あえて超細番手に行かないところがミソで、その分価格もこなれています。
同じくザノーネも12Gを出してきています。
ドレスでもカジュアルでも綺麗に収まる感じは使いやすいですね。
最後はJediaスタッフ内でも非常に人気が高いクルチアーニのタートルネックニットです。やはりボディが薄く、首周りが9Gでボリューム感ある、というのが人気の秘密のようです。
インナー使いしても、ネックにポイントができるので(しかもストールを巻いているかのように温かい!)本当に重宝します。
余談ですが、上に着ているパルスターブルゾン、どこかで見た気が・・・。そうです、CHIOTO(キョウト)とそっくりですね。CHIOTOは恐らく長い歴史を持つパルスターからインスパイアされたモデルかと思われます。だからスタイリッシュで美しいのです。
長くなってきたので、本日はここまで。
次回は主役になれるデザイン性の高いニットについてお話ししたいと思います。
他にも紹介しきれないネタが沢山あります。サブコラムとしてモリBLOGなどで書いていきたいと思います。良ければ、こちら(minmori@twitter)をフォローしてお待ちください。またInstagram(Minor5)もやってますので、こちらも是非お願いします!(とはいえ、現在展示会期間中で、忙しすぎて全然更新できてませんー。。。)
過去ARCHIVE
<大人ドレスな着こなし術 一覧>
第一回 秋から始める大人ドレスの着こなし術
第二回 初心者でも簡単。基礎から学ぶ大人ドレスの作法とは。
第三回 大人気企画第3弾!初心者でも玄人に見えるドレスラを探せ。
第四回 会議室でもできる男を演出するために。ジャージの洒脱感を利用せよ。
第五回 スーツ好きは当然知っている、昨今のスーツ事情まとめ。
第六回 極寒で戦うモテリーマン達よ、もう震える必要は無いわけで。
第七回 ちょっとの違和感で、人生もファッションも楽しくなる。
<サブコラム>
・手を抜いてはいけない靴下のお話。
・分かっているようでわかっていない。パンツの裾はどう直すのが良いの?
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Edit By Minoru Mori
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